竜王ラドン温泉「湯ーとぴあ」
お宝温泉に浸かりながら、国内最大級のラドンを吸入できる温泉
「短期間で万病に効く驚異の秘泉」の効果を自ら検証してみよう!
はじめに
竜王ラドン温泉は、昭和54年(1979年)に開湯した山梨県甲斐市に位置する温泉施設である。地下1000mから豊かに湧き出る「源泉かけ流しの浴槽」に加え、お宝温泉に浸かりながら「国内最大級のラドンを吸入できる浴槽」の2つを備えた、「浸かってよし、吸ってよし」の贅沢な温泉である。
1.源泉自体が驚きの湯量をもつお宝温泉
絶妙の湧出温度(39.4℃)と豊富な湯量
竜王ラドン温泉は、「やまなし百名湯」に選ばれた源泉かけ流し100%の名湯である。
掘削自噴の湧出温度39.4℃の源泉は、地下1000mから520リットル/分の豊富さで湧き続けている。これを男女各2の4つの浴槽にそれぞれ130リットル/分の贅沢さで分配し、各湯船のお湯が約10分で入れ替わっている。
泉質
泉質は、pH8.1、成分総計1906mg/kg、遊離二酸化炭素約520㎎と微量の硫黄成分を含む、炭酸水素塩泉とも塩化物泉とも呼べる名湯である。やや黄色味を帯びた透明なお湯は、豊富な重曹成分による美肌効果で、肌をすべすべにする「美人の湯」として知られている。
2.45年前、時代に先駆けてラドン温泉を導入
ロビーに入るとすぐ目につく左側に並んでいる大きな機械の前で、代表取締役社長の早川善輝氏からお話を伺った。早川社長は、約45年間にわたってラドン温泉の効能を大学や研究機関と連携して検証してきており、湯治の方法や効果について熟知するプロフェッショナルである。
本物のラドン温泉の技術は、1972年(昭和47年)に確立した。いま67歳の早川社長が22歳の大学生であった1979年(昭和54年)から、父親がもっていたこの地に健康ランドをつくる一環で、ラドン温泉の勉強を始めた。
以下、早川社長のお話しを紹介する。併せて、【コラム】として、ラドン温泉の歴史などに関する予備知識をまとめてみた。
【コラム】ラドン開発事業団:『ラドン温泉』の歴史(https://radononsen.co.jp/875)より
ラドンの特性にいち早く注目したのはロシアで、1926年(昭和元年)から実践的な研究を精力的に進めた。オーストリアでも、1946年(昭和21年)からガスタインの坑道でトンネル療法を実施し、これが現在のラドン温泉・ラドン吸入室の基礎となった。
日本では、1931年(昭和6年)から、九州大学の温泉治療学研究所や岡山大学の三朝医療センターで研究が始まり、1960年(昭和35年)には、兵庫県淡路島の今津三郎医学博士が「ラドン発生装置」を完成させた。
1972年(昭和47年)には、「ラドン開発事業団」が発足し(会長は当時厚相、前首相の鈴木善幸氏)、日本に初めて大規模なラドン温泉センター(大船ラドン温泉)が誕生した。1977年(昭和52年)には、ラドン温泉利用者は年間200万人を超えた。
こうして昭和50年代後半、医療施設、ホテル・旅館、ヘルスセンターから銭湯までラドン温泉が導入され、最盛期を迎えた。1983年(昭和58年)のラドン温泉入場者が、ラドン開発事業団系列の施設のみで年間1000万人を超え、他のラドン団体を含めると、全国で2000~3000万人の利用者がいたであろう。1972年(昭和47年)から10数年で、ラドン温泉入場者が爆発的に増えたのである。
しかし、1991年(平成元年)の「ふるさと創生事業」により、各市町村が競って温泉を掘削し、多数の温泉施設が乱立して価格破壊が起こり、民間の零細企業から閉店へと向かった。(ラドン吸入の効果についての評価が定まる間もなく、爆発的なブームが起こり、一気に衰退した。そのなかで、竜王ラドン温泉は奇跡的に生き残ってきた。)
【コラム】ラドン温泉の「まがい物」
ラドン温泉で注意すべきなのは、良質のウラン系(ラドン:Rn222)ではないトリウム系(トロン:Rn220)の温泉や岩盤浴の有害性があまり知られていないことである。
この2つは同位元素であるが、ラドンの半減期は3.8日なので、吸入しても3時間で99.8%がそのまま抜けるのに対し、トロンの半減期は55秒で、気体で吸入すると、すぐに鉛か猛毒のポロニウムに変化する。
とくに、サウナのロウリュウで気化したトロンを吸入することは危険である。
ラドン温泉のブーム時には、大量に輸入した安価なモナズ石(モナザイト)が出回った。このモナズ石がトリウムを含み、これによる健康被害が多く生じている。
(まさに無知は犯罪である。悪貨が良貨を駆逐する。)
ラドン発生装置
さて、早川社長のお話に戻る。この朱色に塗られた機械こそ、「ラドン発生装置」である。今から30~40年前までは多くの市町村の健康センターや温浴施設に備え付けられ、気軽に住民の健康向上とコミュニティの場として親しまれてきたラドン温浴施設。時代の流れの中で次第に閉館していき、今では日本全国でも数か所しか稼働していないそうだ。 (ここと、湯河原ラドンセンターくらいである。)
本物のラドン温泉には、ラドン開発事業団総本部で製作された1基2000万円の医療用ラドン発生装置が必要で、ここには6基ある(湯河原は1基?)。ガンマー線が皆無であるなど、安全面についても優れているとのこと。
ラドンとは
ラドンは、自然起源の無色無臭の放射性の気体で、「希ガス」の中で最も重い元素である。アルファ線(α線)を出し、半減期は3.825日。
ラドンは不活性な気体で、身体のどの部分とも化学反応を起こさない。肺から90%、皮膚から10%の割合で身体の中に入り、血流とともに全身に運ばれる。脂溶性があり、内分泌腺や神経線維など脂肪が多い組織に集まりやすい。
半減期が3.8日なので、身体に入ってもすぐに出てしまう。身体に取り入れたラドンの半分は30分で消え、2時間でほとんどが排出する。しかし、この短い間に全身を回り、細胞に刺激を与えてくれるのである。
ラドンによる「イオン化作用」or「電離作用」
ラドン温泉で吸入したラドンは、体内に浸透して血液の中に溶け込み、血流とともに全身に運ばれ、ラドンが放出するα線が体内の細胞や血液を活性化させる。これが放射線による「イオン化作用」で、「電離作用」とも呼ばれている。
この「イオン化作用」or「電離作用」は、血液中の老廃物質の代謝を促進して血液を浄化する効果があり、全身の血流をもスムーズにし、身体を健康に導いて行く。
血液を浄化する際に、組織内に停滞して凝りや痛みの原因となっている老廃物の代謝が促され、体温上昇と発汗作用で快い温感が持続する。
浴室内ラドン濃度と吸入時間
後述のとおり、岡山大学の「三朝医療センター」では、浴室内ラドン濃度2000~4000ベクレル/m3のラドンを1 日40分、隔日に 3~4 週間吸入することで医療効果をあげていた。
ここは、浴室内ラドン濃度が780~1000ベクレル/m3なので、最低でも1回10分間の吸入を推奨しており、休憩をとりながら1日に3回の吸入が目安である。(それ以上でも全く問題なく、何時間も吸入しながら寝ているご婦人もおられる。)
入泉後、多少の個人差はあるが、3~5分で発汗が始まり、次第に〝強い発汗状態〟になる。自ら体調と相談しながら、心ゆくまで温泉療養を味わってもらいたい。(ただし、2回目の入泉からは、ある程度の疲労感を感じることがある。)
3.「ラドン吸入療法」の国内外での評価は?
ラドン吸入療法は、オーストリアやドイツなどでは医療行為として 認められている
ラドン吸入療法は、オーストリアやドイツなどでは医療行為として認められており、適切な治療計画に基づいて吸入量や期間等が決められている。
特にオーストリアのバドガスタイン(Badgastein)では、元金鉱であった坑道内の高ラドン濃度(50000ベクレル/m3程度)を利用したラドン吸入療法が実施されており、世界的に有名である。
そこでの適応症は、激しい痛みを伴う慢性リューマチ疾患、慢性筋肉・腱・変形性関節症、神経痛、慢性神経炎、慢性強直性脊椎症、脊椎症、脊椎関節症、運動器のスポーツ障害、末梢循環障害、難治性創傷、歯周炎、内分泌腺障害、更年期障害、性器発育不全、脂肪沈着性発育不全、性的不能、不妊症など、きわめて多岐に及んでいる。
岡山大学における「微量の放射線による健康増進・症状緩和効果」に関する研究
(岡山大学:No.23 放射性元素「ラドン」の健康増進・症状緩和効果https://www.okayama-u.ac.jp/tp/research/focus_on_23.html より)
岡山大学大学院保健学研究科の片岡隆浩助教によると、放射線は「危険なもの」というイメージに反し、実は微量の放射線には健康増進・症状緩和効果があるとのこと。
身体に放射線を浴びると、体内で活性酸素種が生まれてDNAや細胞膜などを損傷させるのに対し、身体は抗酸化作用やDNA損傷修復機能などにより、活性酸素種で受けたダメージを修復する機能を持っている。
そこで、意図的に低線量の放射線を浴びることにより、生体防御機能の亢進を引き出して健康増進効果が得られるのではないかと考え、ラドン吸入療法による健康増進効果について研究している。
注)このような効果は、一般に「ホルミシス効果」と呼ばれており、微量の放射線などの低レベルのストレス刺激が身体の自己防御力(抗酸化作用やDNA損傷修復機能など)を活性化させる現象のことである。
岡山大学「三朝医療センター」におけるラドン吸入療法
中国山地の地盤に豊富に含まれる花こう岩には、元素ウランが多く含まれており、三朝町はラドン温泉が湧く世界的にも有数の地域となっている。実際、850年以上前から、三朝町のラドン温泉は「万病に効く不老長寿の湯」として知られてきた。
岡山大学でも「三朝医療センター」を設置して、ラドン温泉を利用した治療の実施や研究をしていた。センターは2016年に閉院したが、現在でも片岡助教の研究チームは、日本原子力研究開発機構、三朝町と共同で研究を続けている。
現時点では、神経性障害疼痛やアルコール性肝障害などさまざまな疾患において、通常の薬剤治療に加えてラドン吸入療法を上手に利用すれば、薬物の使用量を減らし、副作用の低減や医療費の抑制につながると考えている。
「三朝医療センター」のラドン高濃度熱気浴室におけるラドン吸入療法では、浴室内ラドン濃度が約2000~4000ベクレル/m3、温度42℃,湿度90%の高温多湿である。治療方法は、 1 日40分、隔日に 3~4 週間、浴室で横臥するだけである。この高温多湿環境下における温熱効果が、ラドン療法の効果をより高める。
温熱効果により、体内の新陳代謝による熱産生が末梢血管を拡張するため、皮膚・関節・腱・筋肉等の血行が促進され、ラドンのみならず酸素、栄養素等の患部への到達量が増えるのである。
「ラドン吸入療法」の副作用
適量のラドンを用いた場合の副作用は現状確認されておらず、健康へのリスクは極めて低いと考えている。
実際に、三朝温泉地域住民に関する限り、ラドン吸入による肺がん等がん死亡率の増加が認められないことは事実であり、ごく通常のラドン吸入療養については健康障害を心配する必要はない。
「ラドン吸入療法」の効果
近年の片岡助教らの研究によって,ラドン吸入療法により、抗酸化機能や抗炎症作用の亢進に伴う鎮痛効果などがもたらされ、リューマチ性疾患、運動器障害、慢性皮膚病などに効果があることが明らかになりつつある。
ラドン吸入療法には、① 血行促進(老廃物の代謝促進)、② 免疫力向上、③ 痛みの緩和(神経痛やリューマチなど)、④ 美容効果(デトックス効果、肌の調子を整える)、➄ リラックス効果(自律神経を整え、ストレスを軽減する)といった効果が期待されている。
研究会入湯レポート
(その1)五十肩が1時間の入泉で快癒した
1年前から五十肩を患っていましたが、この温泉に1時間程度入ると、2日後には嘘のように腕があがるようになりました。今や、快癒に近い状態です。
(その2)スキーによるやっかいな腸腰筋のコリが取れた
スキーの疲れが腰の深部(腸腰筋あたり)にたまり、いろいろ試してもなかなかコリが取れなかったのが、日帰りで1時間15分ほど、水風呂と交互に3回ほど浸かると、スッキリとコリが取れました。
早川社長によると、身体の痛みも血行の滞りが原因なので、それを改善することで痛みも取れる。40肩や50肩は数回で治るそうで、スキーの腰痛など一発で治るのは納得です。
4.再び、「竜王ラドン温泉」について
副作用の心配なく、ラドン吸入の効果を自ら試して検証できる
竜王ラドン温泉の浴室内ラドン濃度は、国内最大級とはいえ、780~1000ベクレル/m3であり、オーストリアのガスタイン(Badgastein)のラドン濃度(50000ベクレル/m3程度)の1/50以下、「三朝医療センター」の浴室内ラドン濃度(約2000~4000ベクレル/m3)の1/2~1/4以下である。
したがって、副作用を心配することなく、「短期間で万病に効く驚異の秘泉」の効果を自ら検証できる。それが叶うのがこの施設の唯一無二の価値であり、実際に多くの利用者がその恩恵にあずかっている。
竜王ラドン温泉がうたっている適応症
45年間の実績をもとに竜王ラドン温泉がうたっている適応症は、糖尿病、自律神経失調症、高血圧症、動脈硬化症、肝疾患、帯状疱疹後遺症、腰痛、むちうち症候群、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、甲状腺疾患、慢性消化器病、痔疾、冷え性、産後回復期、リウマチ性疾患、火傷、慢性皮膚疾患、便秘、慢性気管支炎、その他健康増進全般などである。
(何と、その治癒率も、ラドン浴室内のパネルに%表示で示されており、100%、80%といった数字が並んでいる!?)
周辺の「お宝温泉」巡り、見どころ
同じ甲斐市の「山口温泉」まで車で4分(徒歩19分)、甲府市の「草津温泉」は8分、山梨市の「はやぶさ温泉」まで35分と、この一帯に「お宝温泉」が集まっている。
近くには、釜無川の信玄堤公園、山梨県立美術館、甲府城跡、武田神社、サドヤワイナリー、シャトー酒折ワイナリー、少し西の勝沼には、甲州市勝沼ぶどうの丘、蒼龍葡萄酒、北には、韮崎大村美術館など、見どころもたくさんある。
5.竜王ラドン温泉の地形・地質
甲府盆地は西側を一之瀬断層群、南東側を曽根丘陵断層群による山地との明瞭な境界に加えて、北側は火山岩類の分布する山地に囲まれた三角形状を呈する。山地と盆地の境界には活断層があって、盆地には第四紀の堆積物が厚く分布している。
盆地内に位置する温泉付近の基盤の地質は、付加体堆積物やラドン温泉の存在から花崗岩類が伏在すると推定され、温泉は北北西~南南東に延びる伏在断層沿いから湧出していると考えられる。
温泉宿詳細情報
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